卵黄を食べたら吐いてしまう!?下の子がFPIES(エフパイス)になりました

病気
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2人目の余裕が一変。卵黄だけでもダメなの??アレルギーって嘔吐もするっけ!?

上の子の時はとにかく余計な情報を入れないよう、役所からもらった厚生労働省の冊子のみで離乳食を進めました。2人目の離乳食を始めるに当たって、1人目の知識を下敷きに情報収集をし、BLWと補完食の考え方を取り入れながら進めることに。1人目の時は月齢ごとに食材の大きさや食べ物の種類をかなり細かく気にして制限しましたが、2人目は「こんなもんかな〜」と程よく手を抜き、滑り出しも上々でした。

ところが離乳食開始からおよそ1ヶ月、異変が起こります。

いくら手を抜いても、アレルギーが起きやすい卵は特に慎重に取り組みました。卵を20分しっかり茹でて、すぐに白身と黄身にわけ、裏漉しした黄身をほんの少しずつ少しずつ徐々に増やして……と教科書通り与えていました。ランチに1/2個を与えた日、昼寝中に突然の嘔吐。

でも嘔吐の他に症状はないし、次の食事もしっかり食べる。私の知ってるアレルギーじゃないけど、卵がなにか悪さしている可能性が大きそうだーーそう当たりをつけて、小児科を受診しました。

診察では、嘔吐の他に発熱や下痢などはないか、食欲はあるか、上の子の体調や保育園での病気の流行を聞かれました。そこで初めて聞いたのが、「エフパイス(FPIES)」という病名でした。

エフパイスって何!?アレルギーとは違うの?

医師から「調べてみて」と渡された、「エフパイス」とだけ書かれた付箋。ググってみると、正式な病名は「食物蛋白誘発胃腸症」といって、その名の通りIgE抗体ではなく食物タンパク質に反応して胃腸炎様の症状を引き起こす、特殊なアレルギーであることがわかりました。昔は「消化管アレルギー」という病名も使われていたようですが、近年発祥のメカニズムが明らかになり「食物蛋白誘発胃腸症」「エフパイス」という名前に変更されたらしい(この辺は小児科医が書いた記事で知った)。

かかりつけの先生が言うには、ここ数年で決して少なくない数の子どもの発症例があり、20例を超えたあたりから数えるのをやめた。吐く以外に症状はなく、3歳ごろまでにはほとんど自然治癒するので心配ないとのことでした。卵黄を食べて3時間後に嘔吐するのが典型的な症状だとのことで、うちの子の場合はきっかり2時間半後に嘔吐していました。

しかし、一回の症状だけでは他の病気……とくにウイルス性胃腸炎の可能性が排除しきれないため、もう一度卵黄を食べさせて吐くかどうかをチェックすることに。吐いてしまうと処理が大変なのは申し訳ないけど……と気遣われつつ、その日は帰宅しました。

かかりつけ医3回目の診察でようやく紹介状を入手

卵黄を食べた後に嘔吐する、熱や他の症状はない、卵黄を食べていない時には嘔吐しない。状況から他の病気の可能性が排除されてようやく、総合病院のアレルギー科への紹介状をいただけることになりました。他の病気の可能性(特に胃腸炎など)を否定してからでないといけないのはわかってはいるけれども、ようやくだー!という気持ちでいっぱい。総合病院を受診するまでは、いったん卵は除去(食べさせない)。

総合病院での初回診察。あっさり終わって拍子抜け

さて、待ちに待った1回目の診察。かかりつけ医での診察と同じように経緯を説明します。医師からは以下のような説明がされ、かかりつけ医受診時にはわからなかった新たな情報を得られました。

  • エフパイスだと確認する検査はない。あくまで病状から診断。
  • 根本的な治療法はなく、消化能力の向上を待つことになる。大多数は3歳までに自然に治癒する、つまり卵を食べても嘔吐しないようになる。
  • 治癒したかどうかの確認は、卵黄を食べさせて嘔吐するかどうかをテストするしかない。
  • 1歳を目安に1回目のテストをやって、嘔吐した場合それ以降半年ごとにテストする
  • 1回目のテストの前に、卵白でのアレルギーを起こしていないか血液検査をする。傾向としてエフパイスと診断された子のうち、1〜2割くらいが卵白のアレルギーを併発する。卵白のアレルギーがなければ家で実食テストしてOK、卵白アレルギーがある場合は病院で管理を受けながらテストすることになる。

この日はそういった説明を受けて、検査も何もなく帰宅。大病院に来たわけだし、アレルギーの話だし採血とかするのかな…と身構えていましたが、あっさり終わりちょっと拍子抜けでした。

1歳1ヶ月ごろ、再受診&アレルギー検査

いよいよ再受診の日。この日は血液検査があるので、気合を入れて通院。採血ルームには子どもだけで入り、親は外で待機。最初は静かでしたが、おそらく針を刺した瞬間からギャン泣き。よく頑張った。

結果は、卵白に対してはもちろん、IgE抗体全体の量が極めて少ないため、この時点で他の食物に対するアレルギーも無いです、と太鼓判をもらい一安心。

そしてこのとき、気がかりだった発症の原因について少し尋ねてみました。卵は慎重にしたとはいえ、1人目の時みたいにグラムや計量スプーンで量って与えておらず、大体で徐々に増やして行っていたので、ある時点で実は大幅に増やしてしまっていたのが原因だったのでは?と。

実際はそれがエフパイスの原因になることはなく、最初は少量食べれていても、何回目かにある量(これは子どもによるらしい)を食べると突然嘔吐するようになり、一度嘔吐するとそのあとは量を減らしても吐いてしまうんだそう。自分のやり方が悪かったのではなくてほっとする一方で、発症は体質によるので防げるものではなさそうなのはちょっと残念。

ちなみにうちの場合は、夫が赤ちゃんの時に粉ミルクで吐いてしまい大豆由来のミルクを飲んでいたらしい。先生にその話をしたところ、「もしかしたら(体質の遺伝も)関係あるのかもしれないですね〜」とふんわり。ただ次男坊は粉ミルクは普通に飲めていたので、なんなんだろうね??とりあえず今の時代では、粉ミルクには代替品があるし、卵は食べられなくても一応困らないしで、命の危機に直結するような病気では無いということです。卵白のアレルギーの方が重大(呼吸困難とか起こるし)。

恐る恐る実食テスト…そしてクリア

さて、卵白は大丈夫なことが検査でわかっているので、ここからの卵テストはゆで卵にして卵白と卵黄を分けて…加熱時間はしっかり…などの心配は不要になりました。全卵で与えてOKとのことだったので、まずはたまごボーロを1個、次の日に2個…と1週間かけて増やし、その次の週は炒り卵をほんのひとかけら与えて様子を見ることに。結果……吐かない、吐かないぞ?

こうしてあっさりと完治したのでした。1歳で治ってくれたのは、上の子と料理を分けずに済むという点、ベビーフードやお菓子など市販品の選択肢も増えるという点で本当にありがたかったです。

今では卵焼き大好きっ子に育っております。卵焼きに入れれば大体の野菜は食べてくれます。ありがたや…

まとめ

  • エフパイスは特殊なアレルギー。IgE抗体の過剰反応による一般的なアレルギーとは発症のメカニズムが違う。
  • 症状は消化器系症状(嘔吐)。呼吸器系には症状が出ない、アナフィラキシーショックもないという点で、過剰に心配する必要はない。
  • ただし寝ている間に嘔吐し窒息、は可能性として考えられるので、エフパイスが疑われた時点で食べて3時間は寝かせずに様子を見られるよう調整するのがベター。卵黄は朝に食べさせるのが安心。うちはランチに食べさせて昼寝中に吐き、泣いて起きた。窒息しないで済んでよかったけど、洗濯は大変でした。
  • 3歳までに大体治る。
  • 勝手に治るのを待つしかない、完治を早める方法も今のところ見つかっていない。除去は大変ですが、もし食べちゃっても吐くだけだ、とおおらかに構えて気長に待とう。
  • 卵で吐いちゃったら、とりあえず食べた時間、量、吐いた時間を記録してお医者さんに行こう!!
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